作業は、第一段階 パタン・ランゲージ(プロジェクト・ランゲージ)の作成、 第二段階 配置計画、 第三段階 基本設計、 第四段階 実施設計、第五段階 施行・設計監理の五段階に分かれる。
各段階ごとに、かかる時間数にスタッフごとの単価を乗じ、設計料を計算する。設計料は予定総工費の12%とした。
スタッフの往復の航空運賃、事務所等の経費は学園負担とした。事務所は当初は学園内の部屋を使い、現地での作業が始まってからは現地二本木の借家を使った。
各段階が終わると、その都度、その報告を理事会が承認して、次の段階に進む。時間配分は、パタン・ランゲージの作成-4ヶ月、配置計画-3ヶ月、基本計画-5ヶ月、実施計画-4ヶ月、施工―工事完成までとする。
各段階とも、従来の設計作業とは異なるユニークなものであった。一貫していたのは、使用者参加の原理である。
パタン・ランゲージ作成は、通常の設計作業の基本計画にあたる。
施工の管理は、プロであるアレグザンダーとそのスタッフに任せることになるが、実際には、施工にあたる現場の工事所長との協議で必ずしもアレグザンダーの意図通りにならない場合があり、その協議の場には、施主側から教員代表も参加していて、私も、毎週の協議に加わっていた。事実上、全施工期間を通じて、常に施主側も参加していた。
各段階がどのように進められていったかを説明する前に、アレグザンダーは契約後、すぐに、現地を訪ねている。
この時、当初学園側で推薦した日本側補佐である建築家の長島正充も同行し、ここで、土地造成工事に関する問題が出て、近代建築の考え方が、はっきり浮き彫りになったのである。